お知らせ大河原 知草さん
2025年3月13日
その他
私がこの研修を受講した一番大きな理由は、自分の住環境によるものだ。
自宅の周りにクルド人と思われる方が非常に多く住んでいて、近所のコンビニや公園、アパートのゴミ置き場には、クルド人の方向けの言語でメニューや注意書きが見られる。早朝や夜遅く、クルド人の男性同士が数人集まって話し込んでいるのをあちこちで見かけるが、日本人住民と交流している様子はない。いつもすぐそばにいるのに、まるで違う世界に生きているかのようだ。「クルド人が100人集まって乱闘騒ぎ」といったニュースが大々的に報道されたことにより、ネット上では、日本人住民の反感が強まってますます溝が深まっているように書かれているが、本当のところはよくわからない。私が見る限り、彼らはただ仕事熱心で、話し合うのが好きな方たち、というだけである。仕事で忙しい男性たちや、活発に遊びまわっている子どもたちはともかく、女性たちは、何とも言えない表情をしている。そもそも、女性たちを見かける機会は、男性たちや子どもたちに比べると圧倒的に少ない。彼女たちは、日々、どんなことを思って、どんな生活しているのか、とても興味がひかれている。
日本語教師になりたての20年以上前、縁あってミャンマーの難民の方たちに関わっていたのだが、当時の私は、難民の何たるかもよく理解しておらず、個人の人間としてもあまりにも未熟で、彼らのことをよくわからないまま、疎遠になってしまった。 現在、私は大学の日本語教員養成に携わっており、授業の一環として学生たちを「さぽうと21」で見学させてもらったりしているが、学生たちに難民の日本語教育について学んでもらう前に、私自身がまず学ぶべきであり、知識として学ぶだけでなく、直接難民の方と関わりたいという気持ちが日々強くなってきている。